技術コンサルタントは技術士または博士を取得するべきと考えますが、ここでは技術士または博士を取得したうえで、さらにその他の資格を取得した場合について考えてみたいと思います。
技術士または博士に加えて他の資格を取得すると、希少な存在となり得ます。例えば、現在、技術士は約7万人おり、弁理士は約1万人いますが、両方の資格を持っている人は百名程度と思われます。さらに技術分野を限定すれば、数人レベルにまで限定される場合もあります。
技術士または博士以外に取得するとよいと思われる資格として、私は中小企業診断士、社会保険労務士、弁護士等を思いつきますが、以下では税理士または会計士について考えてみたいと思います。
私はこれまでに技術士または博士であって、かつ、税理士または公認会計士の人
にお会いしたことはありませんし、そのような人が世の中に一人でも存在するのかも分かりません。インターネットで「技術士 税理士」「技術士 会計士」と検索してもヒットしません。したがって、(技術士または博士)かつ(税理士または会計士)になることができれば、極めて希少性が高い存在になれると思います。
さて、(技術士または博士)かつ(税理士または会計士)になることができた場合、どんな希少性の高い仕事ができるでしょうか。
例えば、技術の価値評価という仕事があり得るでしょう。実は特許の価値評価という仕事は「弁理士かつ会計士」の人や、何人かの弁理士が会計の勉強をしてトライしているところですが、そもそも技術のことを非常に良く理解していないと技術の財産的価値を評価することなんてできないのですから、なかなかうまくは行っていないようです。
技術のことを良く分かっていて、かつ、会計が分かっている人なら、技術の価値評価という極めて希少性の高い仕事ができると思います。技術をもっているメーカーの合併や売却において、その企業の価値を評価する仕事が発生するはずですが、かなり特殊な仕事ですので対価も相当なものになるでしょう。
また、技術経営のコンサルは良いかもしれません。自社の固有技術を持っていて、それに基づいた商品やサービスを提供することで成り立っている中小会社の
社長は、単なる税理士や公認会計士よりも、「技術士の資格をもっている税理士または公認会計士」に経営コンサルを依頼したくなるでしょう。したがって(技術士または博士)かつ(税理士または会計士)に資格を有していれば、技術経営のコンサルの仕事を独占できそうです。
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(「技術コンサルタントして独立開業して年間1,000万円稼ぐ方法」のP162~164より。)