さて、本題です。
技術コンサルを含むプロフェッショナルサービスは、購入してもらうことが難しい商品です。
これについて考えてみましょう。
◉ ◉プロフェッショナルサービスを利用してもらうことが難しい理由
・・・・プロフェッショナルサービスを需要者に利用してもらうことは、リンゴとか、野菜とか、洋服とか、パソコンとかの目に見える「物」を利用(つまり、
購入)してもらうことと比べると、かなり難しいと考えられます。
なぜでしょうか?
この理由は、プロフェッショナルサービスの特殊性にあります。
それではプロフェッショナルサービスの特殊性とは、何でしょうか?
それは、需要者が提供物(サービス)の良否を判断し難いということです。
具体的に考えてみましょう。
まず、プロフェッショナルサービスではなく「物」を購入することを考えてみましょう。例えば「リンゴ」を購入する場合、店で「赤くてうまそうだ」とか、「キズが多いな」とかの情報を容易に得ることができます。そして、そのような情報に基づいてリンゴを購入するか否かを判断することができます。また、リンゴを購入した後に食べてみれば、「うまい」とか「マズい」とか、その良否を判断できます。つまり、リンゴのような物を購入する場合、自分が得たい結果、つまり、「美味しいリンゴを食べて、ちょっとした幸せを感じたい」という結果を得るために必要な「赤くてキズが少ないリンゴかどうか」という情報を購入前に得ることができます。
また、実際にリンゴを食べてみれば、自分が得たい結果が得られたか否かは、当然に知ることができます。
これに対してプロフェッショナルサービスはどうでしょうか。
例えば、皆さんが道を歩いていたら飲酒運転の自動車にぶつけられてケガをしてしまい、裁判を行うことになったとします。そこで、皆さんはインターネットや人脈を使って、交通事故に詳しそうな弁護士を探し、その弁護士に依頼して裁判を行ったとします。
そして、その結果、裁判に勝ち、100万円の損害賠償金を得て、弁護士には手数料として30万円を払ったとします。
しかし、法律の専門家でない皆さんは、果たして依頼した弁護士が行った手続きや裁判での主張がベストのものであったかを正確には判断できません。もし、他の弁護士に依頼していたら、もっとよい結果、例えば損害賠償額がもっと高く200万円だったかもしれません。また、他の弁護士を雇っていたら、もっと弁護
士費用が安く、例えば10万円だったかもしれません。
◉ ◉需要者はプロフェッショナルサービスの良否を判断し難い
そして、重要なことですが、弁護士を選ぶ段階において、その弁護士に依頼した場合に良い結果が得られそうかを判断することが極めて困難であるだけでなく、弁護士を選んで依頼した後や、裁判の準備および裁判をやっている途中、そして裁判が終わった後であっても、需要者はその弁護士が提供したサービスの良否を判断し難いのです。
需要者が明確に理解できることは裁判に勝ったか負けたかであり、それ以外の裁判の進め方、弁護士費用、損害賠償額等が適切であったのかを判断するのは極めて困難です。
実際、弁護士を評価するクチコミサイトを見てみると、その評価欄には弁護士の対応が丁寧だったとか、色々と親身に相談に乗ってくれたとか、オフィスが立派で快適だったとかの感想は記載されていますが、裁判に勝つための弁護士のスキルについての判断結果を見つけることはできません。それは当然のことで、その判断がほぼ不可能だからです。
このようにプロフェッショナルサービスの場合、需要者は提供物(プロフェッショナルサービス)の良否を事前に判断し難いため、利用するか否かを容易には決
断しにくくなります。さらにリンゴと比べればプロフェッショナルサービスは高
額ですから、プロフェッショナルサービスを利用してもらうことは、さらに難しくなります。
このようにプロフェッショナルサービスには、需要者が提供物(サービス)の良否を判断し難いという特殊性があります。そして、これはすべてのプロフェッショナルサービスに共通しており、そのためにプロフェッショナルサービスを利用してもらうことは非常に難しいのです。
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(上記は技術コンサルタントとして独立開業して年間1000円稼ぐ方法のP19~P23の引用です。)